てっちゃんに立食いかきがあると何度も聞かされていた。
かきなんか立食いして面白いのだろうか。しかもワインも飲めるらしい。かきにワインは合うのだろうか。ますますわからない。そもそも僕は牡蠣というものに思い入れがほとんどないので謎はそのままにしていたが、先日沖縄に行った折にせっかくなのでということで実際に連れて行ってもらうことにした。
節子鮮魚店というのが正式な名前らしい。
一見するとただの魚屋にしか見えない。
これは知ってないと確実にスルーしてしまうだろう。
なるほど。立食いかき。横に遠慮がちに「さしみ」ともある。謎っぽい看板だ。
隣の店の豚。これは関係ない。
店内にはテーブルがいくつかと椅子が設置してあるが、水槽に魚が泳がせてあって、お店の人がでっかいまな板でいろいろな魚をさばいており飲食店というよりやはり魚屋。立食いとあるわりには普通に座って飲食できるようだ。
お店の入り口には氷のつまったスチロールのケースが設置されており、その中にはキンキンに冷えたオリオンビールやスーパードライやチューハイが埋まっていて、客はそれを勝手にとって飲むというシステムになっているようだ。それぞれ250円。立食いかきって何だ?と思っていた僕もこの時点でかなりテンションがあがってくる。
てっちゃんが頼んでくれたのは1000円のセット。
ビールに牡蠣とおさしみがついたもので非常にお得なメニューだ。
これを二人前。生牡蠣がそれぞれ一つとおさしみもご覧のとおり。
お刺身はサーモンとマグロとハマチだかカンパチだかとタコ。卵焼きと、添え物に海ぶどう。お刺身の内容は日替わりみたい。その日いいやつを切ってくれるのだろう。
海ぶどうって沖縄の特産品としてもてはやされているけど、そんなに美味しい印象をもってなかったのだけど、ここのやつを食べてびっくりした。あっさり爽やかでとても清々しい。前に食べたのは古かったのかもしれない。他のお刺身も新鮮で美味い。正直いって沖縄でこれほどのお魚が食べられるとは思ってなかった。どうも九州のほうから取り寄せているらしい。
そうそう。生牡蠣のほうもレモンが効いてて美味かった。
牡蠣が好きではない僕も満足した。
思わずお刺身一人前(700円)を追加で注文してしまう。
やっぱり美味い。美味すぎないかこれ。
ここは七輪で焼いたりも出来るみたい。
自分で焼くのも可能だし魚も店にあるものなら何でも調理してくれるらしい。
今回はお刺身だけで満足してしまったので焼きはやってないけどそれはそれで楽しそうではある。でもまた次もおさしみを食べて満足してしまうかもしれない。
しかし七輪の横のルービックキューブは一体なんだろう?
謎が多い店ではある。
お刺身に満足して大柄になってしまったてっちゃん。
二人あわせて3200円だったかな。安い。ビール6缶飲んでるよ。
お向かいの席にはビールだけ飲んで帰ったおっさんがいた。
そんな使い方も可能なのか。いろいろのんびりしていて良い。隣は公園だし。
鳩も来店。
無理からぬ。
節子鮮魚店は普通に鮮魚店としても営業していてお刺身や卵焼きの持ち帰りも可能だ。お魚を出している飲食店なんかここで仕入れてお店で提供してるのかな?……なんて考えてしまった。それっぽい人たちがひっきりなしに買いに来てたようにみえたし。
妙に高い観光客向けの店に食べにいくよりは圧倒的にこちらが安心だろう。これは力強く主張したい。てっちゃん良い店を教えてくれてどうもありがとう。いつもいつも。
にぎわい広場という公園の横にあるので目印に。節子鮮魚店の中にはトイレがないようで、トイレも公園のを拝借するようになっている。
どうでもいいがここの広場は全面がコンクリート。沖縄の子供たちはタフだ。
節子鮮魚店の詳しいデータ。