とにかく、そのようにして北谷町(ちゃたんちょう)にあるバンボシュ美浜店にやってきたわけだが、バンボシュ美浜店は現時点で県内の最北に位置するバンボシュである。そしてバンボシュ5店舗のうちで、僕が最後に訪れた店舗でもある。焼肉ステーションバンボシュ店舗めぐりの最終地点でもあるわけだ。
もっと詳しく述べるならば、国際通り牧志店に始まって、浦添店→宜野湾店→南風原店と店舗を訪ねて、今回の美浜店ですべての店舗を訪問したことになる。4年はかかっている。もちろん僕が沖縄在住でないことを考えれば無理もないことだけど、焼肉食べ放題のチェーン店舗を全部回って確かめてみようという発想もなかなか無い。どれだってそんなに大差ないと考えてしまうし、国際通り牧志店で腹いっぱい食べてりゃ満足といえば満足だ。だけど実際に5店舗回ってみると、結論からいって全部違ってた。これが微妙な違いなのか大きな差なのかは、なかなか線を引きづらいところではる。ビールなんてキリンもアサヒもサッポロも同じでしょと言う人もいれば、銘柄の違いが個人的戦争にまで発展するような思い入れをもった人もいる。少なく見積もっても、それくらいの違いはあったといえる。
美浜店は鮮烈な青の瓦屋根の、独特な建物が印象的だ。以前は明洞焼肉専門店という店だったようだ。その時代のことは知らないが、居抜きのように入ったバンボシュなので、他とはイメージの違った店舗になっているのかもしれない。ちなみに美浜店はバンボシュ5店舗の中でも一番新しいバンボシュでもある。それだけに期待するものも大きい。
店に入りテーブルに案内されてまず驚いたのはロースターのコンパクトさ。はっきりと小さい。いつものバンボシュの感覚に慣れているので最初は戸惑った。大柄2人(てっちゃんとコウさま。そう、コウさまも大柄なのだ)と、それなりの大人1人(僕)での同時使用に耐えうるかと心配になるサイズ。郊外型のわりに、建物も小さく席数もそれほどないので、全体的にコンパクトに収まるように設計されているのかもしれない。
どことなく喫茶店を思わせるおしゃれな装飾もバンボシュぽさが感じられない。前の焼肉店をそのまま流用している部分が多いのだろう。
食べ物コーナーも他の店舗のおおよそ半分くらいだろうか。実際半分かはわからないけど印象としてはそれくらいだ。てっちゃんがあと5人もいれば窮屈で身動きがとれなくなるだろう。もちろんだからといってメニューの種類も半分というわけではなくて、ちゃんと豊富に用意されているので安心だ。狭いぶん機能的に配置されていて全体が把握しやすく好印象ですらある。食べ物コーナーの隅に各国国旗が並べられているのが気になる。
チャーハンとシューマイのところに中国国旗が。なるほど先ほどの国旗は、各国料理を食べられるというアピールだったのか。たしかにバンボシュは多国籍メニューではある。しかしチャーハンなどをさして今さらあらたまって「中国の料理です!」と言われても照れくさいような気もするが。
そうすると、フレンチフライと唐揚げはアメリカ料理のセクションということに。そらそうかもしれないけど。それで良いのか。
おでんと沖縄そばは日本セクションだ。おでんのテビチや軟骨、中身汁などで沖縄そばを作ろうという指南書が掲示してあった。国際通り牧志店において我々が独自にやっていたことがこちらではオフィシャルで推奨されている。
南風原店ではお目にかかることが出来なかったタコライス作り放題コーナーである。レタス、サルサソース、肉、チーズが揃っていれば、死ぬほどタコライスを作れる。さらにカレーをかけるなんてことも可能だ。これがやってみたかった。
バンボシュの看板にいつも描かれているキャラクター。僕らは勝手に「バンボシュくん」と呼んでいたが、美浜店のPOPには「バンボくん」という名札をつけたものがいくつか見られるので、オフィシャルにはバンボくんなのかもしれない。美浜店以外ではこういう名札が無いのがちょっと気になるところだけど今のところ情報はこれだけだし。名札を付けたやつだけが「バンボくん」であって付けてない奴は名前が違っているんだ!という原理主義者による主張がないわけではない。こういうのは曖昧なうちが面白い気がする。僕らの間では引き続き「バンボシュくん」と「バンボくん」で使い分けてみたい。
壺漬け肉や、スペアリブなど、最新式のバンボシュにある肉メニューは一揃い揃っている。小さい店舗ながら肉のラインナップは完璧に近い。ブラジル産マテ茶鶏なんて美浜店にくるまで見てないかもしれないし。事前情報では、豚バラ肉が置いてないという衝撃情報もあったが、この時はしっかりと置いていた。
オープンしてからそれほど長くないので、様々な試行錯誤があったのかもしれない。米軍関係者の多い土地柄なので豚バラが受け入れられるのかとかなんとか。よく知らないけれど。しかし豚バラのないバンボシュなんて、キャッチャーなしで野球をやるようなものだ。ジャッキー・チェンの映画から格闘シーンを抜くようなものだ。豚バラが無ければバンボシュなんてしまらないのである。
こうして食材は揃った。いよいよ焼きに入ろうと思う。つづく。