ますたにのラーメンのところで書いた『ますたに 白川店』について書こうと思う。
こちらは一応2号店ということになっていた筈だけど、前に説明した通り目と鼻の先にある。そして店舗はもちろん本店である『今出川店』のような歴史を感じられるものではなくて、その辺にある何の変哲もない目立たないラーメン屋さんだった。
なぜこんなに近いところに。そしてどう違うのか。疑問に思ったので白川店の方にも入って食べてみた。こちらは店構えもそうだけど、店員さんも若い兄ちゃんであり、そんなところも普通のラーメン屋と変わらない。そしてメニューも少し違っていて、中華そばの他にチャーハンなどのサイドメニューもいくつかあったりする。どこまでも普通だ。
肝心の中華そば。これは見た目も味も紛れもない『ますたに』のラーメンである。だけど決定的な違いがあって、あの下品なまでの濃さと辛さがない。いたってすっきりした味。洗練されていて食べやすいっちゃあ食べやすい。が、しかし、使い込まれたハンマーで一撃を加えられるような衝撃はない。僕らが本店で味わったのはそういう種類のものだった。
こちらにも備え付けのラーメンのタレみたいなものがあって、それを投入することでいくらでも辛くは出来る。もしかして上手に足していけば、本店と同じような味を再現することも可能なのかもしれないが、それほど味の差を熟知しているわけでもないので、同じになってるのかどうかは保証できない。
要するに、本店は濃くて2号店は薄味。基本となる味は同じだから、良いとか悪いとかではなくて、好みで使い分ける事が出来る印象だ。だからこそ近所に2号店を出したのかと妙に納得した。もしかしたらだけど、普段から『ますたに』を利用する常連からしたら、ずっと味が濃いのを食べ続けるのはしんどいと感じるかもしれない。それと本店は遠方から食べにくる客で、妙に混んでいる事も多いという事情もある。観光客向けが本店で、近所の慣れた人は2号店という住み分けもありえるのかも。あくまで想像だけど。
ちなみに同じ中華そばの並盛でも本店のほうがやや量が多い。とすると、やはりたまに行くには本店になってしまうのか…。
そんな『ますたに白川店』に久しぶり(といってもこれは一年前の話だ)に行ってみたのだけど驚いた。
別のラーメン屋になっている。
中華そばの店しらかわ。『ますたに白川店』だったのが単なる『しらかわ』になってしまっていた。どういうことだ。
恐る恐る入ってみたが店内の様子は変わってないように思う。店員の兄ちゃんも(たぶん)同じ。メニューも同じだろう。中華そばを頼む。
以前に食べたものと同じものが出てきた。麺もスープも、ますたにの中華そばの味である。ただし相変わらず、
しっかり薄味だ。
看板を変えただけのようである。目と鼻の先に『ますたに』が2件あるのは紛らわしいとようやく思い至ったのか。よく来る人は事情を知っているけれど、初めて訪れた観光客みたいな人が、本店と間違えて2号店の方に入ってしまい文句を言われるという悲劇が多かったのかもしれない。
もちろん本店の方も人を選ぶ味付けのラーメンなのは間違いがなくて、熱狂的に受け入れる人もいれば、「これが有名店の味?」というニュアンスの批判的意見をネットなどに書く人もいる。それに比べれば2号店の味付けは無難なものだ。しかし、初見の人にどちらの味を試して欲しいかといえば、やはり本店の方だ。店の雰囲気やなんか全て含めて。そういう意味では店の看板を変える判断は正しかったと思える。同じ味付けであるというのは、知っている人は知っているわけだし。
今回のブログを書くにあたって『中華そばの店しらかわ』を検索してみたが全く情報が出てこない。代りに『ますたに京都拉麺小路店』というのが京都駅ビルに出来たという情報が見つかる。もしかしてこちらはもう営業してないのかもしれない。そういえばあれから一年のあいだ『ますたに』にも『しらかわ』にも近寄っていない。近いうちに調査に行ってみようと思う。
この時も向かいの
銀閣寺キャンデー店でソフトクリームなんかを食べてしまう。昔風の小ぶりなソフトクリームだ。