さてさて。
いよいよ長かった根室編が終わりであります。
ついに花咲ガニだ!
エスカロップを食し大満足した私。
しかしまだ時間的には余裕がある。
となれば
棚上げしていた花咲ガニ問題に取り組む時がきたようである。
駅近くのカニ小屋をのぞいてみると午前中と違ってお客がちらほら。
みんな一杯1000円くらいの花咲ガニをバリバリいわせているのか。
ちょっと食ってみたい自分にはハードルが……と再び堂々巡りに陥りそう。
その時ひらめいた。
明治公園の帰り道にデカくてコジャレたスーパーを見つけたのを思い出したのである。
ここがそう!
マルシェ・デ・キッチン根室大正店。
最初に入った駅前の小さなスーパーよりはるかに大規模なお店。店の成り立ちとかどのあたりをカバーしているスーパーなのかとかはさっぱりわからないけど、駐車場も広くて内装もかなりおしゃれで品揃えなども良いのは見て取れる。
なぜここかというと根室でこれほどの規模のスーパーであれば、魚介コーナーに食べられる形の花咲ガニがあるんではないかという読み。そんなわけでダメ元で店内を物色してみることにした。
ここでも
オランダせんべいかとびっくりしてしまったがこれは普通のワッフルだった。
なかよしワッフル。これだって内地の自分は見かけたことないパンだが。
弁当コーナーにはエスカロップ弁当が山積み。本当に浸透してるっぽい。
さきほど食べた元祖のとどう違うのか気になってしょうがない。
398円とは随分と安いし、しっかりポテトサラダが乗っているのにも注目。ポテトサラダはエスカロップがエスカロップたる要素だったか。
ソーセージとナポリタンは……弁当要素?
なんにせよ嬉しい。
エスカ弁も気になるが
角煮弁はもっと気になってしまう。
そら398円でこんな大振りな角煮が乗ってたら万国民が目を奪われる。
しかも当店オリジナル。たしかに他所ではあまりお目にかからない。
エスカロップはたくさんあるのに角煮はもう売り切れそう……。
いかんいかん。
当初の目的をすっかり忘れてしまいそうである。
問題の魚介コーナーだ。
ロシア産ウニ!
ロシア産といっても根室とロシアってあっちとこっちの筈であるのでほとんど地元産と言って変わらないのではないだろうか。もしや北方領土との交流で得たもののうちのひとつ?などと妄想が膨らんだりする。そのへんはよく知らないから適当であるが。
パンパンにつまっていてこの値段はお得だろう。きっと新鮮だろうし。ちょっと買っても良いかなと思ってしまったがこれも目的とは違う。
カニコーナー…カニコーナーと探していたら見つかった。
さすが地元だけあってかなりスペースをとってたくさん並べてある。
花咲ガニ大漁!
予想ドンピシャ!
一杯700円前後。
二杯で1000円ちょっととか。
これは安い。
でも何も数百円をケチってここに来たわけではないのである。
たぶんこの辺にあるのではないかと……。
あった!
約一杯分の値段で花咲ガニの半身を剥き身にしたもの!
こういうのを探していたのだ。こういうのを。
これだったらカニの殻を剥くといった面倒はないし、そんな大量に食べたいわけではない自分にはうってつけというもの。いやー良かった。
さらに都合がよいことに、ここのスーパーは広いイートインスペースがあって、そこで買ったものを飲み食いできるようになっているのだ。これは予想していたなかった。大げさだけどとんでもない追い風を感ずる。やっぱり旅先で困ったときはスーパーという信念には間違いはなかった。これは皆さんにもオススメしておきたいのである。とりあえず迷ったらスーパー!
花咲ガニの切り身と、サッポロクラシックを買ってイートインコーナーに。ビールを飲みながら地元のカニをつまめるなんて幸せすぎる。もとより中途半端な時間である。イートインコーナーにそんな人がいるわけもなくほぼ貸切状態でのびのびできる。
余談だけどスーパーやコンビニのイートインコーナーには「飲酒禁止」の張り紙があるところも結構みかける。質の悪い酔客や宴会みたいになったらそりゃ迷惑だろう。ここのスーパーはそういった注意書きが無かったので良かった。
さて。レジでもらった割り箸をつかい花咲ガニの脚肉を食してみた。
これは……人から伝え聞いたとおりの濃厚さだ。端的にいえばしっかりカニの味がする。(花咲ガニはタラバガニの一種なので生物学上はカニでは無いそうではあるが、カニの味と表現してしまうのも不思議なものだ、などというのはこの時は考えもしなかったので。念の為)
それでまた塩ゆでというのも塩加減が絶妙に効いていて美味い。
何かつけないと味が薄いかなという心配はまるで杞憂だった。
カニの地元だけあって良い調理方法を知っているものだ。
さすがにスーパーのパック詰めなので茹でたてで熱々というわけにはいかないが自分にとってはこのほうが食べやすい。なんだったらイートインに備え付けのレンジで温めることも可能だが、その必要はなさそうだ。
脚肉のあとにカニ味噌的な部分も食べてみたらより濃厚な味わい。脚よりこちらのほうが上品で気に入った。花咲ガニのサイズからして胴体の部分はどうしたって少なくなるから貴重かもしれない。
あ、あれ?何故か手元にエスカロップの弁当が?
濃厚なお味の花咲ガニは半身もあれば満足してしまったが実はまだ胃袋自体には余裕があったのである。弁当版のエスカロップも食べ比べてみたかったのでつい。
これもレンジで暖めずにそのままいただく。
温め直した弁当を食べるくらいなら冷たい弁当のほうが美味しい気がする。
弁当はだいたい冷たいのを想定して味付けしているだろうし。
弁当版のエスカロップだが、ご飯がバターライス的なものではなく、単なるライスだった。これはしょうがないか。398円にそこまで求めるのは酷だろう。で、かかっているデミグラスソースがやたらスパイシー。ニューモンブランの上品な味も良いが、これはこれで変則カツカレーみたいで悪くはない。スーパーの弁当としては間違ったチョイスでもないだろう。
エスカロップというものは、カツと、ソースと、ポテトサラダさえ抑えておけば、後はかなりの融通が効く料理に違いない。ご飯にこれらが乗っていて外すことなんかまず考えられないし。と、いうのが今回はじめて根室に来た時点での自分の解釈ということで。機会と幸運にめぐまれたなら再び調査してみたいけれど。
おまけのスパゲティとソーセージは
凡庸そのものだった。まあ、お得感ということで良し。
根室は、海を見て、エスカロップと花咲ガニを堪能して、大満足。
ちょうど気車がくる時間になったのでJR花咲線で釧路に帰還。
これでやっと二日目が終わり。
次は網走と旭川編につづく!!