サンライズなは商店街に移動。
ここは国際通りからちょっと奥に位置するアーケード商店街だ。
国際通りに面しているむつみ橋商店街は各種土産物店がひしめき合い牧志公設市場などもあって観光客で溢れているが、こちらのサンライズなは商店街は立派なアーケードではあるが人通りもまばらで観光客に向けたお店もあまり無い。どちらかというとシャッターが多い。見どころがないかというとそうでもなくて、地元での支持の厚いスポットがいくつか集中しておりそうしてところは旅行客にも人気だ。
なによりサンライズなはにはゲームインナハIIがある。
ゲームインナハIIはてっちゃんのような重度なゲーム好きが何かとたむろするゲームセンター。
古ぼけた店内は週末の夜ともなるとゲーム好きで溢れかえっていることもある。
最新ゲームが揃っているわけでもプレイ環境が良いわけでもないのに何故かここに集まる。
国際通りに近いという立地とか環境とかいろいろな要因があるのだろうがとにかくそうした社交場になっている。
ちなみにゲームインナハというゲーセンが国際通りに面した一等地にあり、ここはその2号店という意味でIIという看板になっている。ところが近年そのゲームインナハの方が閉店してしまった。立地が良い方が潰れてこちらが残るというのも不思議な話だけど立地が良すぎたという事かもしれない。跡地は焼肉屋になっている。この場所で焼肉屋を営業しても絶望的だろうが、国際通りに面した立地なら時代遅れのゲーセンをやるよりも採算があいそうだ。
ゲームインナハIIに顔を出す。ご覧のとおりの垢抜けないゲーセンだ。常連たちの間では「インツー」と呼ぶ。インナハIIを縮めてインツー。インツーと言って通じたらこの辺りではゲーム好きということになる。
すすぼけたUFOキャッチャーのやる気の無さが尋常ではない。これをプレイしている人を見かけたことがない。何の為に設置しているのか今となっては全くの謎。ゲーセンの前にはUFOキャッチャーを置くのが普通だから置くべしという目的のために置かれているとしか思えない代物。
今時のUFOキャッチャーであれば各種キャラクターグッズとか流行のものとか、それ相応に射幸心を煽る景品が並んでいるものだが、インツー前のUFOキャッチャーのそれはバックグランドが全く見えない投げやりなラインナップ。何も置かないわけにはいかないので何か置きました、というそれ以上でもそれ以下でもない。お弁当の隙間に入れる緑のプラスチックのビラビラしたものをバランと呼ぶが、あれよりもきっと冴えていない。
暇すぎるのかこんな体位をとらされてしまう始末。
店の前はあんなだが店内は夜ということもあって大盛況。対戦格闘ゲームやガンダムを中心に熱心にゲームで戦っている。てっちゃんの友達も何人もいる。僕らは緊急にゲームをやりにきたわけではなくて、とりあえず顔を出しておくという目的で訪れている。那覇に滞在中は何度も訪れる。ドラクエでいうところのアリアハンとかルイーダの酒場とか、そんなような場所だ。暇な誰かに会えるかもしれないし、エアコンの効いた店内でちょっと涼むのも良し。もちろん少しゲームをやってみるのも良い。たいていのものは50円でプレイ出来る。
インツーで重要なのが店の前に設置しているUCCの自動販売機だ。内地では見かけないジュースが並んでいる。ロング缶で100円なのが魅力的。UFOキャッチャーには目もくれないがこちらにはさかんにコインを投入してしまう。
ロング缶のUCC霧の紅茶のシリーズも、内地では売られていないが沖縄では大人気だ。そこかしこの自販機やスーパーなどで売られている。キンキンに冷えたUCC霧の紅茶を片手にインツー店内に入ると喫茶店になる。店内にもいたるところにUCC霧の紅茶の空き缶が転がっている。ストレートティー派とミルクティー派がいるのも面白い。なぜかアップルティーは少ない。アップルティーも美味しいのだけど。ストレートティーというと無糖みたいな印象をうけるがしっかり甘い。UCC霧の紅茶シリーズはぜんぶ甘い。これが沖縄らしさだ。
甘いのが飲みたくないときはさんぴん茶を選ぶ。さんぴん茶はジャスミン茶のこと。ジャスミンの中国語読みがさんぴんみたいな発音でこれが訛ったとのこと。これも沖縄では大人気の飲料。どこの自販機でも買える。食堂などで出されるお茶もさんぴん茶が多い。ジャスミンティーというのは何だか苦手なイメージがあったが、沖縄でさんぴん茶をたくさん飲むようになって苦手意識はなくなってしまった。