浜名湖競艇場の館内のシンプルさに驚きを隠せない僕とアニワギ博士。
2Fから吹き抜けを見下ろしてみる。やはり目を引くものはなーんもない。床が広がっているだけのことだ。メニュー的にも店構え的にも、特徴があまり無さそうな食堂が2つばかりあった。他にとくに何もなければそこで食事をする事になるはずだ。
小さいインフォメーションコーナーがあって、グッズ類などの販売をしているので見物していく。何かすることがあるというのは素晴らしい事である。浜名湖競艇場ではこんなものでも癒やされた気持ちになるから不思議だ。
ぬいぐるみなどもあるが、浜名湖競艇こんなキャラクターがあったことすらわからない。館内で目立ってないことは確か。ねじり鉢巻をしたペンギンだか何だかわからないが、実にかわいくない。こうしたキャラクターは作業着専門店みたいな店でよく見かける気がする。
アニワギ博士は後で何かお土産を買っていくかと言っていたが、変える頃にはすっかり忘れていたようだ。それくらいのインパクトだ。
レース場にあるデカい時計のミニチュアの目覚まし時計だ。ちょっとだけ(ほんのちょっとだけ)良いと思ってしまった。しかしこれを置いていて分かってくれる人はいないだろうけど、かといって「これ競艇の!」と分かられても困惑する。そんなことを考えつつ値札をみたら3500円とのこと。なかなかたいした値段である。
インフォメーションの奥のほうには、お客様の声コーナーもある。アンケートで集めた要望と回答を張り出している。僕はわりあいこういうアンケートの回答を読むのが好きなのだ。
個人的な要望というのはあくまで個人的な要望であるから当然ながら主観的なものが多い。いきおい自己中心的なもの言いにもなりがちだし、他人から見ればキチガイとしか思えないレベルにまで達することも稀によくある。それに対する回答者の対応も見ものであって、受け流すにも回答者のセンスや技量といったものが問われるし、ある程度要望を受け入れる場合にしても施設の姿勢が試される。いずれにしても、回答付きのアンケート掲示というのは実に興味深い代物なのだ。
そんなわけで、浜名湖競艇への要望と回答の中に何か面白いものは無いかと、端からずっと流し読んでいく。
浜名湖競艇に関してはあまり面白いアンケートは見当たらないようでがっかりした。しかしとても気がかりなアンケートを見つけてしまった。
「浜名湖の景色は最高で、毎回でも来たいと思うけど、いつも
来るたびに食べる物がおいしい物がなくて、この頃はお弁当を買ってくるのですが、時間がないときはそれも出来ません。浜名湖に来ないと食べられないおいしい物を置いてください。
今は高い、不味い、レトルトばかり。施設案内のパンフレットに浜松グルメを堪能!とありますが、浜松グルメって、中国産のうなぎや冷凍餃子のことですか。おいしい物たくさんあればもっとお客さん来るのに。」
な、なんだって!?
もしや、浜名湖競艇ではろくなものにありつけないのでは?と薄々感づき始めている我々の不信感を見事に直撃するようなアンケート。しかしまあ、こういうのは主観的なものなので……。
しかし回答側も自覚があるのか「食堂の
味、質の向上に努めるよう食堂側に改善を伝えます。」などと答えているのが悲しい。ちょっとは反論して欲しかった。
「確かに全般的には平凡なように見えるのは認めます。でも2Fの食堂にある、○○なんかはわりと安くて美味いと評判なんですよ。職員もよく注文する隠れたオススメメニューです。」とか何とか。そういうのは全く思いつかなかったのか。無いのか。そうか……。
インフォメーションを出たところにモスバーガーののぼりを発見する。色褪せてボロボロののぼりだ。モスバーガーがあるなら最低限度の食事は出来るという事になる。ところがキョロキョロと探してみてもモスバーガーなんて影も形もない。そこは館内の他のところと同じく、がらんとした通路があるだけ。のぼりだけ?今日は休み?どいうこと?
暗雲たちこめる浜名湖競艇めし。
つづく。