いよいよアニワギ博士と僕の初めてのギャンブル旅行も終わりに到達した。8月の話を12月までだらだら書くとは思っていなかった。本当は数週間でささっとまとめてしまう予定だったのに。僕もその間にいろいろあったのだ。
最初から読みたい人は
こちら(第一回)からどうぞ。
アクアウォーク大垣と反対側の南口のロータリーの風景。こちらが僕の知っている大垣駅前。歴史ありそうな古い建物に魚民が入っているのだ。JRの駅前の魚民とか大漁日本海庄や率は異常。居酒屋といえば魚系という日本人気質を反映しているといえるのかな。魚民や庄やで美味しい魚が食べられるかどうかはさておいて。(この両店、あまり利用したことが無いので知らないのだ。)
さて、大垣で最後の食事をして、米原行きの下り列車に乗りこむためにホームで待つ僕とアニワギ博士。
ホームで待っている間にアニワギ博士がおもむろに味噌串かつを取り出す。
甘い味噌べったりなスーパーの味噌串かつ。ドーナッツを食べている気分になれる。肉入りドーナッツ。これはこれでビールとかにあわんこともない。というか合わないのだったら居酒屋で出していないのだ。
味噌串かつを食べているあいだに列車到着。乗り込む。これで名古屋的なものはすべておしまいだ。寂しくもあるが帰路についてほっとすることもある。米原までは30分ちょっと。21時くらいだろう。そこから大阪まで行くだけなので余裕だ。
かつて関東方面から終電ギリギリに設定して帰ったこともある(19~20時間くらい電車に乗りっぱなしだった)が、さすがに乗り継ぎが多く距離が長いとちょっとこわい。18きっぷを利用する際、せめて帰りに関しては早めの出発をオススメする。
そんなわけですぐに米原に到着。ここから快速に乗り込んで大阪を目指す。大阪行きの快速がホームで待っている。乗り込んで席を確保した。意外なことに、あまり混んでいない。米原から遅い時間になると、大阪方面に向かう人でけっこう殺伐とすることが多いのだが、何か様子がおかしい。車内の雰囲気が妙にだらけている気がする。
車内放送で事態を把握する。
南草津で人身事故発生!発車時間わからず!
これは乗り換えの列車ではなかったのだ。その前の列車が発車出来ずにホームで立ち往生していた。何かあった時に備えて時間に余裕をもたせていたら、まさに何かあってしまった。
まあ、しかし、こちらは時間に余裕をもたせているのだ。遅れても何とかなる。一時間半くらいは大丈夫。いつから止まっているのかはわからないがさすがに復旧するだろう。のんびりと車内で待つ。
そうこうしているうちに、1時間もしないうちに発車。これで大丈夫。やっぱり時間に余裕をもたせたダイヤの勝利だった。
と思ったが甘かった。
止まっていた先行車両との兼ね合いもあって途中で何度も止まる!予定よりもかなりのスローペースで滋賀県を走る抜ける。
このペースだともしかして、1時間半というマージンなんて吹っ飛ぶのでは?
余裕をかましていた僕だったが、ちょっと焦り始めた。通過駅と時計をにらめっこして計算する。
(ギリギリ最終電車くらいのペースか?0時前に大阪駅に着けば後はなんとかなるが……。)
大垣でのんびりカレーうどんを食ってる時には、まさか終電車の心配をしなくてはならなくなるとは思わなかった。
(あと○駅で京都に入って…それから大阪駅までこれくらいだから……。)
しかし無情にも電車は思わぬ駅で停止する。なんと、本来ならば快速がすっ飛ばす駅だ。ダイヤが乱れてしまったせいで、乗降出来なくなった客のための配慮だろう。一部の人がほっとして降りていく一方で、僕は完全に終わってしまったと感じる。
本当に1時間半のマージンが吹っ飛んだ。
JRは大阪駅まで辿り着くのは確実だが、そこから京阪電車に乗り換えねばならんのだ。ここがJRだけで完結できない人は特に注意しなければならないところ。アニワギ博士は市内に住んでいるので何とでもなるのだ。
素早くダイヤを調べる。京阪電車七条駅からの大阪方面の最終電車は0時前後。今の時間から計って、京都駅に到着するのが23時30分か40分か。JR京都駅から京阪七条駅までは、実は歩いていけるのだ。時刻表やネットの乗り換え案内ではわからない京阪沿線民だけが知っている事実。かつてこの駅間を小走りで10分以内にたどり着いたこともある。つまり到着が23時40分くらいならば確実に乗り換え可能といえる。
列車は山科駅を通過して京都駅にさしかかる。時間は23時30分。決断の時だ。
僕はアニワギ博士に別れをつげて京都駅ホームに飛び降りた。まさかこんな慌ただしい終わりになるとは思いもよらなかった。
東海道線のホームから改札口まではけっこう距離がある。改札口では駅員に何かを尋ねている兄ちゃんがいた。急いでいるので駅員に18きっぷを見せて横をすり抜けて通る。改札口というのは通路であるにもかかわらず、こんなふうに塞がっている事がしょっちゅうなのだ。そんな時にズラズラと並ばれるとたまらない。用事の無い人は、こうやってさっさと通ってしまった方がよい。
僕が横から改札を抜けようとしたとき、兄ちゃんが僕に舌打ちをした。
なんでやねん!
京都駅を出た時点で40分。やれやれ。とんだ結末になってしまった。
しかし結果的には時間に余裕があって良かった。本当にギリギリだけど。早足で京阪の七条駅に辿り着いた時には汗びっしょり。
思えば、出発した時から事故でダイヤが乱れた。2日目の今日も朝から大雨、そして夜の人身事故。18きっぷでこんなに連続にダイヤ的なトラブルに出くわしたのは初めてかもしれない。イージーだと考えていた東海道本線の、それも大阪~浜松という狭い範囲で。ギャンブル旅だけあって電車も予想通りには走ってくれないということか。
なにはともあれ、18きっぷを利用する時はおおらかな気持ちが重要なのだ。
おわり。